高校生が気を付けたい食事の摂り方は?スポーツ選手の栄養やカロリーを正しく知る!

2019年10月28日
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部活の練習やスポーツをする高校生にとって食事は、栄養やカロリーを補給して身体を作る大切な行為です。この記事では栄養・カロリーが不足するとどうなってしまうのか、身体に起こる変化やトラブル、体作りのための食事の重要性について解説します


【栄養が不足するとどうなる?】


人間の身体は、毎日エネルギーを消費して生きています。スポーツをしない一般的な高校生の方でも、日々の生活や体の生命維持に2000kcal近いエネルギー(基礎代謝)を必要としています。このエネルギーが足りなくなると、体重が減少し、細胞からのシグナルで体が飢餓状態であると判断して代謝を落とします。このように太古から続く人間の防衛本能が組み込まれているのです。


現代の食事でカロリーが不足することは珍しく、ダイエットや特別な運動をしない限りありえません。スポーツ選手は1日中練習したりトレーニングをして、失うカロリーを補給するために、基礎代謝を合わせて4,000~8,000kcal近い食事を取らなければなりません。すると、食事量が不十分で必要なカロリーが足りなくなる。カロリーが足りないことは、つまりエネルギーが足りないということです。


エネルギーの低下は、エネルギーを使う臓器や筋肉だけでなく、脳にも影響します。脳は全体の20%近いカロリーを消費するとされていて、2000kcalならおよそ400kcal程度は脳が消費していると考えてください。高校生なら毎日の授業で勉強をしていることに加えて、部活などの練習で運動をすることで脳のエネルギー消費は増加します。脳へのエネルギーが足りないと、脳の注意力が散漫になり、計算力や思考力(考える力)が落ちます。勉学に励む高校生にとっては大きな問題です。


体の異変としては、朝起きたとき低血圧気味になったり、体温調節機能が低下するなどが挙げられます。他にも手先の冷えや便通が悪くなるなど、体内循環に関係する代謝能力が落ちることがあります。肝臓周辺の内臓脂肪の割合が増えるなど、臓器への負担が生じるケースもあります。このように、代謝が落ちることでさまざまなトラブルが生じる可能性があります。


さらにエネルギーの不足は負のスパイラルを呼び起こします。食事が不足して代謝が落ち、疲れやすい上に食欲が減少して、さらに食事量が減り、さらなるエネルギー不足が起きるといった具合です。1~2日エネルギーが不足しても極端な変化が起きる訳ではありません。ですが、慢性的にエネルギーが不足することで、身体への負担が生じる点やスポーツをする際のパフォーマンスの低下や筋力低下も。エネルギーの不足、つまり食事・栄養の不足は体に百害あって一利なしです。


【栄養不足も体作りの天敵!】


エネルギー(カロリー)だけでなく、栄養を十分に摂れなくても問題があります。エネルギー源だけ補給しても栄養素が足りないせいで体がエネルギーを使えないのです。一例として、体のエネルギーを生産するためにはビタミンB6などの栄養素が不可欠です。これが不足すると、細胞が体のエネルギーを上手く作れなくなり、常に疲労感を伴う身体で夏バテのような状態になります。


エネルギーは体内のシステムである「クエン酸回路」によって生成されます。そのときにいくつかの栄養素がエネルギー代謝に必要な成分として利用されます。それがビタミンB6などのビタミン類です。食事の中でビタミンをとることの必要性がわかる事例です。


これほどまでに、ビタミンが栄養素として注目されるようになったのも、ビタミンの発見が当時画期的だったのです。日々、新たな発見が続いている栄養学やスポーツ科学を通して、ビタミン・ミネラル、食物繊維などは次々に人の体に必要な食品成分として認知されています。


【糖分が不足すると脳が働かない?実は肝臓にも悪い!】


エネルギーとして思い浮かぶものに糖分があげられます。最近ではエネルギー補給のためにブドウ糖の塊が加工食品として売られていたりします。糖分は基本的に脳で消費されます。数値としては、カロリー400kcalで糖100gなので、ハードな運動をしない方は100~150gは何もしなくても脳が勝手に消費していることになります。それ以外にも赤血球を作ったり、体温を上昇させる時のエネルギーになったり、グリコーゲンや脂肪を作る原料としても使われます。そのため、200~300gは炭水化物(分解されてブドウ糖と食物繊維になる)を食事で摂取します。


糖分が不足すると、脳がエネルギーの不足を感知します。原則、糖分しか栄養にできない脳にとっては深刻な問題です。糖分の不足は血液中の血糖値にあらわれるので、血糖値が低下すると、お腹が鳴ったり、空腹を強く感じたりするなどのサインを発します。それでも十分な糖を摂取せず、血糖値が上がらないと、人間の身体は新糖生によってエネルギーをアミノ酸や脂肪から作り出します。


そのアミノ酸はたんぱく質としてかなりの量が必要で、それはどこから来るのでしょうか?栄養が不足している状態でエネルギーに余力がない以上、体内のたんぱく質、すなわち筋肉を自ら分解して糖に変換します。以上のように、せっかく筋肉を鍛えても十分な栄養と糖分がとれていないと、自分の筋肉を減らす原因になるのです。


また、糖分の不足が長期に渡ると、筋肉を分解して筋肉の量が減ってしまうだけでは済みません。新糖生は肝臓で行われるので、毎日大量のアミノ酸を糖分に換えるのです。すると、ただでさえ解毒作用など複数の役割を持って忙しく働いている肝臓が、本来は必要ないたくさんの新糖生にキャパシティをとられることになり、肝臓が疲弊します。


肝臓の病気は肝硬変などが知られていて、お酒の飲み過ぎだけでなると思われていますが、実際は肝臓を過度に働かせることでも起こります。栄養の不足に肝臓への負担が続けば、手術が必要な状態になることも決して大げさな話ではありません。特に消費カロリーが多い青年期の高校生がスポーツをする場合は、カロリーや糖分、栄養バランスに気をつける必要があるでしょう。


【脂肪をエネルギー利用・促進する栄養素】


人間の脂肪は、現代においてあまりプラスのイメージをもたれていません。なぜなら、脂肪が過度にあると、太って見えて「怠惰」や「不摂生」といった印象を与えるからです。スポーツや運動をする高校生にとっては、脂肪が多いことで動きの妨げになります。結果、パフォーマンスの低下を招きます。


しかし、脂肪は必ずしもスポーツ選手にとってマイナスなことばかりではありません。例えば、トライアスロンでは、体内のグリコーゲンを使ってエネルギーを生み出し、筋肉の原動力とします。ところが体内に蓄積できるグリコーゲンの量は限られているので、運動強度の激しいトライアスロンでは、すぐに枯渇してしまいます。


体内のグリコーゲンが不足すると、エネルギーを生成するために、代わりに脂肪を分解して脂肪酸として筋肉の細胞にあるミトコンドリアに運ばれてエネルギーに変換されます。一定の脂肪を溜め込んで、序盤は脂肪を使いすぎないようにすることがトライアスロンでは重要になります。これはトライアスロンだけに限らず、スポーツの試合や長時間の運動には欠かせない要素です。そのため、適度な脂肪があるのは有効です。


脂肪を分解してエネルギーにするためには、グリコーゲンを全て使う必要はありません。感覚的にグリコーゲンが使われて次に脂肪が使われる順序に見えますが、実は普段も脂肪は使われていて、エネルギーに変換されています。具体的には、睡眠中、血糖値が低下して体の体温維持や脳のエネルギーを作り出すのに、脂肪を分解しています。また、食事や栄養で条件さえそろえば、日中でもグリコーゲンをそのままに脂肪分解をしてのエネルギー供給が可能です。


【分解機能のある食品と成分】


方法は、脂肪分解の効能がある成分を摂取することです。有名なのはコーヒーなどに含まれるカフェインです。糖分をほとんど含まない飲料でカフェインを摂取すると、脂肪分解によるエネルギー利用が促進されることがスポーツ科学の研究で判明しています。これに類似する成分は、同じコーヒーのクロロゲン酸や梅干のバリニン、グレープフルーツのヌートカン、唐辛子のカプサイシン、トマトやスイカに含まれているリコピンなどが知られています。


スポーツで脂肪利用を進めるために使う以外にも、運動以外の目的で脂肪分解の効果に着目してダイエットに利用する方もいます。確かに、脂肪のエネルギー利用を促すことは体脂肪を減少させることと同義なので、ウエイトコントロールや食事療法として使えます。


【食事メニューの決め方】


食事は3~5食、朝昼晩と間食を交えて定期的に栄養とエネルギーを摂取する必要があります。ファスティングのように絶食や1日1食のような食事の取り方はスポーツをする高校生の方には向いていません。朝ごはんを抜くのはもってのほかです。朝練が早いからと何も食べずに運動してしまうと、糖分の不足のところで述べたように、筋肉の分解が始まり、エネルギーをグリコーゲンの消費から筋肉分解による生成が行われてしまいます。体温も上手く上がらないので、けがの原因にもなります。朝食抜きや1日1食生活は、大人の方が減量などに使うのは良いですが、体の成長がまだ望める高校生にはマイナスにしかなりません。


ではなぜ、数回に分けて食事を摂るのか?理由は簡単で、一度に食べた食事から吸収される栄養やカロリーには限界があるためです。食事をすると、胃にたまって、その後十二指腸から小腸に移動します。栄養はこの小腸で(蠕動運動などによって)少しずつ吸収されます。小腸にとどまる時間はそれほど長くなく、大量に食べ物を取り込んだとしても全ての栄養素が一度に吸収される訳ではありません。回数を分けて栄養を十分に体内に取り込む食事の仕方が効率的なのです。


【朝は何を食べたらいい?】


朝ごはんで優秀なのは、エネルギーになるバナナ(果物等)やごはんが良いといえます。運動前なら特に消化の良いものを中心にエネルギーになりそうなものを選びます。そして、なるべく運動までの時間(2~3時間)を空けるようにするのがベストです。

バナナを最初に挙げたのは、スポーツ選手にとって嬉しい栄養素がたくさん入っているからです。ビタミンや食物繊維はもちろんですが、中でもカリウムが豊富に含まれていることです。筋肉を動かすのに必要なカリウムが不足すると筋肉がつる原因として知られます。NBAのバスケット選手の中には、筋肉がつるのを防ぐために試合前に大量のバナナを食べる方もいます。それだけスポーツ選手からの信頼が厚い食品です。栄養バランスを考えて朝昼晩の献立を考えてみましょう。

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